実生株

アガベ・ユタエンシス・ネバデンシスの実生記録 1 – 少し遅い8月の播種

  • アガベ・ユタエンシス・ネバデンシス(Agave utahensis var. nevadensis)の実生記録 1 回目です。8 月に入り、今年はもう実生はしないと思っていましたが衝動的に種を蒔いてしまいました。
  • 葉がブルー系で、捻れた黒い棘が人気のユタエンシス・ネバデンシス。成長が遅く、小型の株でも5,000円近い値で売買されています。

8月18日 – 夏の盛りが過ぎてから播種

ユタエンシス ネバデンシス 実生

アガベ・ユタエンシス・ネバデンシス(黒い方)と、パキポディウム・カクチペスの種子

ここ 3 年は夏が来るごとにアガベやパキポディウムなどの種子を仕入れては実生をしているのですが、もう日照条件の良い置き場所もないので今年は休もうか・・・と考えていたもののやっぱり蒔いてしまいました。

種まきハウス 9穴トレー」が空いており「さし芽種まきの土」が余っていたのを見て、種を蒔きたい突き動かされたのです。いつものように半日ほど水に漬けてからさし芽まきの土に播種します。

品種は違いますが昨年まで 2 年連続でアガベとパキポディウムの実生をしており、育成の感覚が分かってきたのでこのまま継続したいと思いアガベ・ユタエンシス・ネバデンシス(Agave utahensis var. nevadensis)とパキポディウム・カクチペス(Pachypodium rosulatum var. cactipes)を選びました。

いずれも育成が難しくないと言われている品種で、少し時期がずれてもなんとかなるのではないかと思います。

ユタエンシス・ネバデンシスとは

Agave utahensis var. nevadensis

wikipedia, Kenraiz

ユタエンシス・ネバデンシスはエボリスピナの変種で、エボリスピナは葉がグリーン系で白い棘(スピン)であるのに対し、ネバデンシスは葉がブルー系で棘に黒が混じり捻れており、よりワイルドな感じに惹かれました。

種子は安価で 10 粒でおおよそ 800 円ほど、大量に購入すればもっと安く手に入るでしょう。幼苗は 1 株 300 円、3 年目くらいになると 3,000〜5,000円ほどで取引されているようです。

アガベの実生株はカキ仔と違い成長が遅いので、手間を考えるとある程度育った株を購入したほうが遥かに楽です。販売目的でもなくアガベを趣味で実生する人は物好きだな、と我ながら思います。

8月24日(6日目) – 11個すべて発芽

ユタエンシス ネバデンシス

ネバデンシス 種の殻が付いた子葉

購入したネバデンシスの種子は 10 個だったのですが、11 個入っており(種子をネットで購入するとよくある)そのすべてが発芽しました。

今回はヤフオクで購入したのですが、とても評価の良い出品者で期待通りの品質でした。種子は管理状態が悪かったり古くなると途端に発芽率が落ちるため、またリピート購入したいと思える出品者を見つけることが大事だと思います。

ユタエンシス ネバデンシス

ネバデンシスの毛細根

この根本から地表に出ている白い綿のようなものは毛細根です。初めて見たときはカビかと思い取り除こうかと思ったことがあります。

9月20日(33日目) – 本葉が出る

ユタエンシス ネバデンシス 本葉

ユタエンシス ネバデンシスの本葉

発芽したすべてに本葉が生え揃いました。1 ヶ月ほどでこの様子なので、気候がイマイチとはいえやはり成長が遅いです。

アガベは子葉が1枚の単子葉植物

なお、アガベは単子葉植物なので種の殻を被ったままの初めの 1 つ目の葉だけが子葉で、 2 枚目以降が本葉となります。見るたびに種の殻を取りたくなるのですが、軽く引っ張っても根ごと抜けそうになるのでじっと我慢です。

10月10日(53日目) – 全体が色づき、大きくなった本葉

ユタエンシス ネバデンシス 実生 53日目

50 日を過ぎ、少し太く緑に色づいてきました。本葉もまだ 1 枚だけですが順調に大きくなっています。

この時期までは常時水を切らすことなく腰水を続けていましたが、そろそろ短期間なら水が切れても枯れることはないくらいになり一安心です。

台風が過ぎ10 月に入り、秋めいて気温も下がってきたのですでに室内管理を始めています。おそらく日中 20 度を下回らなければこのまま成長してくれるでしょう。気長に、ゆっくりと成長を見守りたいと思います。