- 2016年4月末に蒔いたパキポディウム・グラキリス(pachypodium gracilius)の 1100 日経過時点の実生記録です。
- 播種から 3 年、思うように成長しないグラキリスを日々眺め続け、栽培者にゆっくりとした変化を楽しむ心の余裕が生まれました。
- 4 年目を迎え、分頭したり花芽が出たりと早くも動きを見せてくれています。
実生4年目を迎えたパキポディウム・グラキリス実生株
今年の春もすべての株に葉が出てきました
無事に 3 回目の冬を乗り越えたパキポディウム・グラキリウスの実生株たち。冬の間葉を落としていた株も 3 月の終わりからお目覚め。
中央の株だけは冬の間も葉があまり落ちませんでした。室内管理で明け方には 5 度を下回ることもある中、葉を落とさず休眠しないという頼もしさ。
休眠に入る株は水やりが不要になるので楽な反面、春にちゃんと目覚めてくれるだろうかと心配になります。今年は頭頂部から 5〜6 本の茎が押し合うように一気に出てきました。目覚めてくれて一安心。
冬の室内管理について
最低気温が 10 度近くなってからは室内に取り込み、以降はずっと室内で管理しています。人が生活する部屋と同じ空間に置いているので、暖房を付けているときが室温が最も高く 20 度前後、明け方の最も寒い時間は 5 度を下回ることも。
葉を落とし休眠状態になった株の水やりは月に 1 度、根を若干湿らす程度与えています。水やりの基本は鉢底から水が出るまでですが、そこまでやると乾くのに数日かかってしまい根腐れが怖いので 2 日以内に乾く程度の分量に制限しています。
根腐れの危険があるのに水やりをする理由は「根が乾燥しすぎて弱るのを防ぐため」です。これは何かの本で読んだ受け売りであり、正直なところこれがパキポディウムにとって正しいのか確信はないものの、3 年やってきて問題がないので続けていくつもりです。なお追肥は一切していません。
休眠しない 1 株については 2、3 日で乾く量を隔週のペースで与えました。パキポディウムは水が不足すると幹が少し 凹 んでくるのですぐに分かります。そのため少し足りないかな?というくらいに抑えて、水不足のサインが出たらあげれば良いと思っています。
パキポディウム・グラキリス 1100日目の実生株
いよいよ 4 年目を迎えるグラキリスの実生株。去年の 7 月からどのような変化があったのか、一番太くどっぷりとした株を見比べてみます。
この 9 ヶ月のあいだ全体的な大きさはほぼ変わっていない(!)ものの、下の方の枝が太くなり頭部が分かれ始めました。
さらに、うっすらとですがグラキリス特有の横しわが見られるように。やはりパキポディウムと言えばずんぐり胴体に刻まれるこのしわ、これがあることでなんとも言えない雰囲気が出てきます。
3つに分頭し始めたグラキリス – 1株目
冬の間も葉を落とさない強健な株なのでもう少し太ってくれるかと思ったのですが、そこは分頭のエネルギーを蓄えていてくれたのだと思っておきましょう。
高さは分頭した分少し伸びましたが、日照不足でも不思議なくらい徒長しない優秀な子です。
前回植え替えたとき から 2 年ほど経っており、鉢の中は根が詰まってパンパンになっているでしょうから、気温が上がったらもう一回り大きな鉢に植え替えようと思います。
3つに分頭し始めたグラキリス – 2株目
次に高さも太さも一番ミニサイズのこの株。4 年目にしては物足りない樹形ですが、よく見るとこちらも分頭が始まっています。
この株は頑ななほどに枝が生えてこず、昨年の夏の間もてっぺん部分からちょろっと葉が生えるだけで成長も緩慢だったのですが・・・
4 年目にして少しやる気を出してくれるようです。分頭すれば葉も増え、成長の勢いがついてくれることでしょう。
お目覚めするなりいきなり花芽が出る
この株は休眠から目覚めるのが遅く 4 月に葉が生え始めたばかりなのですが、いきなり花芽が葉を追い越すように生えてきました。そんなこともあるんですね。
これで花芽が出るのは 2 株目。手元にはロスラーツム・カクチペス・恵比寿大黒の実生株もあるので、いつか同じタイミングで咲いてくれたらパキポディウム同士で受粉させてみたいものです。