- 2016年4月末に蒔いたパキポディウム・グラキリスの実生も2年目を迎えました。今回は400日目までの記録です。
- 5月に斑点性の病害があり多くの株が落葉、6株のうち1株が脱落しました。
- カイガラムシが発生、成虫を爪楊枝で一つ一つ駆除しました。
- 一回り大きな鉢への植え替えが完了。葉もまた生え揃い夏に向けて状態が上がってきています。
5月9日(380日目)斑点性病害が発生
多くの葉が黒くなり落葉
5月に入り連日最高気温が 20 度を超えるようになり、そろそろ植え替えをと思っていた矢先に幾つかの株で葉が黒ずみ落ちるようになりました。
褐色の斑点が次第に広がり枯れていくので細菌(カビ)による斑点性病害に見えます。
下の葉から落葉していき、上部のみ残った状態になってしまいました。
一番小さい株が地際から枯れる(腐る?)
土中で細菌に感染し水分を吸い上げられなくなったようで、軟腐病のように下部から枯れ始めてしまいました。一番小さく葉も早くから落ちていた株でした。せっかく冬を越えたのに残念です。
ベンレートで殺菌治療
被害をこれ以上広げないよう、枯れてしまった葉をすべて摘み取った上でベンレート水和剤を希釈し霧吹きで散布。週に 2 回ほど散布することで病害の被害は治まりました。
気温が上がるからと楽観的なことしか考えていなかったのですが、暖かくなると元気になるのは細菌も同じことです。もっと早くから予防で薬剤を散布しておくべきでした。
カイガラムシの発生
斑点性の病害が出た後、カイガラムシが大量に発生している株を発見。
先端部分にふわふわした白い綿状のものが付着しており、その奥に白い丸い虫が確認できます。少し前に見たときにも白い綿のようなものを吹いているのに気付いたのですが、パキポディウムが分泌しているのかと思い放置してしまいました。
思えばパキポディウムが白い分泌物を出すとは聞いたことがなく・・・これももっと早くカイガラムシだと気付くべきでした。
カイガラムシの駆除
成長したカイガラムシは薬剤も効きにくいため、幹や葉を傷つけないよう一つ一つ爪楊枝で丁寧に取り除いていきます。
成虫は足が退化し動くことはできません。寄生した場所で養分を吸い続けるので、発見は難しくありませんがパキポディウムのように棘の間など狭い場所に規制されると駆除が面倒です。
カイガラムシの排泄物から菌が広がることはよくあるため、斑点性病害の発生もカイガラムシを成虫になるまで気付かずに放置したことが一因となったのかもしれません。
鉢の植え替え
病害・カイガラムシの被害の少ない株から植え替えを順次行いました。
ポットにぎっしりと根が詰まった状態。パキポディウム・グラキリスの根は太く、絡まり合うように伸びていきます。
用土の配合は小粒の赤玉土中心
今回は小粒の硬質赤玉土をメインに、軽石、さし芽種まきの土、鹿沼土を 6 : 2 : 1 : 1 ほどで配合し、ミリオンAを砕いたものを少々混ぜた用土を準備しました。
これまで播種したときから「さし芽種まきの土」で栽培を続けていましたが、パキポディウムを育てるにしては水持ちが良すぎると感じていたので水はけを重視しています。
5月29日(400日目)
残った5株の植え替えが完了し、病害の被害を受けた株も新たに葉が生えてきました。新しい環境にも無事馴染んでくれたようです。
一度葉が落ちると同じ場所からは葉が生えないので、さらに上に間延びした気もしますが・・・下部に新しい成長点ができている株もあり、これからどのような樹形になっていくのか楽しみです。
今後はよりカイガラムシと細菌に注意しながら、観察を続けていきます。