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パキポディウムは毒性(強心配糖体)をもつことが明らかに

昨今のビザール(珍奇)プランツ人気によって、かつては市場に出回ることの少なかった塊根植物を栽培している方も珍しくなくなりました。

まだまだ栽培方法が確立しておらず、交配も進んでいない原種に近いもの、植物学的にも分析がされていないものが多い塊根植物ですが、ご自身が栽培している種に毒性があるかご存知でしょうか?

パキポディウム 毒性

Photo by David J. Stang – First published at ZipcodeZoo.com, CC BY-SA 4.0, Link

南アフリカとマダガスカルに自生する、一般的な 21 種のパキポディウムのうち 16 種についての毒性を調査した論文が発表されていたので、パキポディウムを栽培されている方はチェックしてみてください。

パキポディウムがもつ毒性についてのレポート

パキポディウムに毒性はあるのか?という疑問について、キョウチクトウ科Apocynaceae, 夾竹桃科)の多くが毒性を持つのと同様に何かしらの毒性を持っているだろうと推測するしかありませんでした。

パキポディウムの茎や葉を折った時に滲み出る不透明な粘着質の液体からは、キョウチクトウ科の有毒な乳液を連想します。これは手に付けたり、間違っても口に入れてはいけないものだろうと。

かつて矢毒に用いられていたパキポディウムの毒

今年 American Journal of Botany に掲載されたコーネル大学の アヌラッグ・アグラワル教授らの記事(Toxicity of the spiny thick‐foot Pachypodium) によると、パキポディウムにはNa+/K+-ATPアーゼを阻害する強心配糖体が含まれる、とされています。

Pachypodium contains potent toxicity capable of inhibiting sensitive and cardenolide- adapted Na+/K+ATPases.

心筋機能が低下したときには治療薬として用いられる強心配糖体ですが、作用が激しいため過剰に摂取すると中毒を起こすことで知られています。

かつて南アフリカの原住民は、パキポディウムから抽出した毒を矢毒として用いていたと記事では言及しています。パキポディウムが強い毒性を持っていることは昔から広く知られていたのですね。

パキポディウム 毒性

Toxicity of the spiny thick‐foot Pachypodium

この表を見ると毒性はレアリー、ナマクアナム(光堂)、サウンデルシー(白馬城)、ルテンベルギアナムのように数メートルの高さに成長する種に多く含まれており、現在日本で特に多く流通しているロスラーツムとその亜種は比較的毒性が少ないようです。

パキポディウムには毒性があると認識しよう

専門外なので間違いのないよう具体的な症状については言及を避けますが、パキポディウムには人体に有害な毒を含んでいるのではないか?という疑問の答えが調査によって明らかになりました。

人体にとって毒とはいえ強心配糖体はキョウチクトウ科やユリ科など一般に広く栽培されている植物にも含まれているので、パキポディウムの栽培は危険だから栽培を止めようということにはなりません。

パキポディウムって食べれるの?と試す方はなかなかいないと思いますが、子供やペットからはできるだけ遠ざけ、お手入れするときには誤って乳液や葉が目・口に入らないように気を付けましょう(ちなみに見た目がゴツゴツしている亀甲竜は中身を食べられますが、あれはヤマイモ科です)。