植物工場

西友店内でレタスを水耕栽培、収穫後そのまま販売する店産店消を実現

埼玉県ふじみ野市の西友 上福岡店では、店内の植物工場で水耕栽培したレタスの販売を 2 月 26 日から開始します。

上福岡店内では店舗 3 階の約45坪(148.76m2)の区画に設置した水耕栽培装置でレタスを栽培。植物工場の専任スタッフが毎日収穫、包装したレタスは地下 1 階の野菜売場で 1 株 137 円で販売されます。また将来は、近隣の西友店舗でも販売する予定です。

レタス 水耕栽培
画像は栽培イメージです

低価格化を実現した植物工場システム

植物工場で野菜をつくる場合、設備の導入・運用コストがかさみ採算が取れない場合があります。西友では 137 円という低価格はどのように実現したのでしょうか。

今回店舗に導入された植物工場は、植物工場の設計・運用・コンサルティング業務を手掛ける「プランツラボラトリー」と西友の共同によるもの。

導入コストは従来の半分、設置場所を選ばず収益化までの時間も短縮

プランツラボラトリーと東京大学が共同開発した省エネ型屋内農場システム「PUTFARM(プットファーム)」は従来の植物工場と比べて導入コストが約半分から 3 分の 1 程度に抑えられるといいます。

また設置には最低 10×15 メートルの敷地があれば良く、屋内・屋外を問わず様々な場所に設置でき、設置に要する期間も 1 ヶ月程度という利点もあります。

西友のような小売事業者は店舗の余剰スペースを活用することで、運送や保管のコストカットにもなります。地産池消ならぬ店産店消が実現できる野菜生産システムは、今後も様々な企業で導入が進むことが予想されます。

消費者の安全意識の高まり

西友では生産者の顔が見える安心・安全な野菜のニーズが高まっていることを背景に、青果全体に占める地場野菜や契約野菜の構成比を約 10 %まで高める目標を掲げています。

スーパーの青果売り場に行くと、生産者や産地情報を確認できるサイトのQRコードが付いているのを目にします。どの地域で誰が生産し、どのような商品検査を経て販売されているのかという情報を消費者は求めており、生産者と消費者の距離を縮める動きが進められています。

店内の植物工場で生産した野菜であれば、水耕栽培の無農薬野菜を収穫したばかりで販売することができます。安全性と新鮮さを求める消費者には「刺さる」取り組みであると言えるでしょう。