家庭菜園 栽培記録

パイナップルの再生栽培記録 1 – 茎の水栽培から鉢植えにするまで

スーパーなどでカットせず丸ごと売っているパイナップル。食べ終わった後に葉のついた茎の部分を使ってパイナップルの再生栽培ができることをご存知ですか?

パイナップルの再生栽培

パイナップルが葉がついた状態で販売されているのは、果物の鮮度を長く保つためです。葉を残したままの方が見た目にも楽しめますが、実用的な理由があってのことです。

パイナップルの再生栽培 – 余った茎を水栽培

今回は普通のスーパーで入手できる Dole のスウィーティオを用いて、パイナップルの再生栽培をしてみたいと思います。

スウィーティオはフィリピンのミンダナオ島で生産されており、甘みと酸味のバランスの良い日本人の味覚に合わせて開発されたパイナップルです。大体 300 円程度で購入することができます。

パイナップル栽培の下準備 – 果肉部分をカットする

パイナップルの再生栽培 水栽培を始める下準備

まずはパイナップルの茎に残っている果肉を取り除きます。可食部分でない、硬い茎に近い部分も思い切りカットしましょう。この部分は水に浸けておくと、段々腐って水を汚してしまうため不要です。

ちなみにこのパイナップルは食べきるまで葉と茎を付けたまま、冷蔵庫に入れていました。冷蔵庫に入れるくらいではまず再生能力が無くなることはありません。

パイナップル栽培の下準備 – 根の出る部分の葉を取り除く

パイナップルの再生栽培 水栽培を始める下準備

次に、下葉を剥がし茎の根の生える部分を空けておきます。今回は 7〜8 枚ほど剥がしています。

葉をつけたままでも根は生えてきますが、下葉は早いうちに不要になる部分です。手で引っ張れば簡単に剥がれるので、思い切り剥がしてしまいましょう。

茎の下を少し水に浸け水栽培

パイナップルの再生栽培 水栽培

下準備が終わったら、パイナップルの茎の下が少し水に浸かる程度に固定し、水栽培を始めます。ここでは球根用のガラス瓶を用いていますが、なければ紐や針金でコップに固定すると良いでしょう。

水に漬けるのは下準備が終わってからすぐで問題ありません。茎を乾かしたりする手間も基本的に不要です。

パイナップルの水栽培開始から8日後、発根

パイナップルの再生栽培 発根

3 月の中旬に水栽培を開始し、8 日後に数本の根の発根を確認しました。

気温は常に 20 度を超えて安定している環境ですが、もし発根しないようであれば、気温の高い時期に水栽培を始めるようにすると良いでしょう。なお、水は 3 日に 1 度くらい変えるようにしています。

パイナップルの水栽培開始から1カ月、側根を形成

パイナップルの再生栽培

パイナップルの茎を水栽培にしてから約 1ヶ月が経ち、根は 20 本くらい生え、主根から側根が伸びつつあります。

茎の株の少し残った果肉部分が黒く変色、水を汚すというほどではないものの見た目に良くありません。水を吸い上げるために必要かなと 2cm 弱残していたのですが、茎の葉の生えている部分だけを残し、果肉部分は全カットしても良いように思いました。

パイナップルの水栽培開始から2カ月、葉が伸びる

パイナップルの再生栽培

2ヶ月目にして、葉の伸び方が予想以上に早く長くなっています。まず新しい葉が生えてくると予想したのですが、残っていた上の葉が先に伸び始めました。

下の葉は少し枯れ始め、頂部からは新葉も出てきています。思った以上に早く動くその生命力には驚きました。光沢のある葉は硬く、ピンと上向きに伸びています。

パイナップルの水栽培開始から3カ月、さらに葉が伸び広がり置き場に困る

パイナップルの再生栽培

水栽培を初めて3カ月目、根はガラス瓶の中狭しと伸び、葉は室内に奥には邪魔なほど長く広がりを見せています。横にも広がり始めた上、葉先が鋭く尖っているので不意に体に当たるとかなり痛く、置き場を室内から屋外へと移動しました。

夏場に入り気温が上がってきて成長のギアが上がったように感じ、少し再生栽培したことを後悔する気持ちが芽生えたのもこの時期です。可愛らしく卓上に置いていられるものではないため、ある程度覚悟のある人にしかパイナップルの再生はお勧めできません。

一度根が干からびるも再生

根が一部変色していますが、水の交換にも飽きて 1 週間ほど放置した際に水が蒸発し根が干からびたことがあるせいです。やってしまった、と思い水を張り直しても変色した根は元に戻りませんでしたが、新たな根が次々と生え何事もなかったようにその後も成長。半端ではない生命力です。

パイナップルの水栽培開始から約4カ月、鉢植え

パイナップルの再生栽培

水栽培開始から約 4ヶ月、7 月の終わりについに鉢植えに。もっと早くしようと思いながら、他の植物を優先してしまい先送りしていたところ水栽培の瓶とは似つかわしくないサイズにまで成長してしまいました。

用土は花と野菜の用土を使用

パイナップルの用土は、一般的に水はけの良い弱酸性の用土が良いとされています。これまでの水栽培の経過を見ていると、その剛健な性質から極端なアルカリ性でなければ何でもいいだろうという気がしますが、今回はホームセンターなどで販売されている「花と野菜の土」を使用しました。

パイナップルの再生栽培

植えながらどこまで大きくなるのだろうという不安を感じつつも出来上がりです。葉が憎々しいほど勢いよく伸び、すでにベランダではかなりの貫禄を見せています。

「パイナップル畑」で画像検索した結果を見ると嫌な予感しかしないのですが、そんな思いを裏切りきっと大きく成長してくれることでしょう。

安易な気持ちでパイナップルを再生するとどういうことになるか、また追ってお知らせできればと思います。