インターネットが普及し情報の共有が容易になった現代でも、経験に依るところがまだ多く残る園芸。テクノロジーの進歩は、いつ私たちの園芸ライフを大きく変えるのでしょう。
スマートフォンが手放せない生活が定着し、人とのコミュニケーションのありようは変化していきます。野菜や花は工場で効率的に生産されるようになりましたが、私たちの植物との関わりは昔と変わりません。
花屋でお花を買い花瓶に飾り、毎朝観葉植物にお水をあげる。種を蒔き小さな生命の息吹に感動し、時に枯らしてしまい悲しくなる。そんな面倒とも思える植物との生活から生まれる心の機微が気に入っているから、それでいいと思っているのかもしれません。
今回紹介するのはちょっとだけ植物の世話を手助けしてくれたり、園芸生活をより楽しくしてくれる indigogo、kickstarter などのクラウドファウンディングから生まれた製品たち。
まだまだ実用的とは言えないものの、ユーモラスで少し笑ってしまう植物愛を感じる製品をご覧ください。
自らの判断で動き回るプランターロボ「HEXA」
1日のうち限られた時間帯しか陽が当たらないせいで徒長してしまった、夕方の西日が強すぎて葉焼けしてしまった、なんて事ありませんか?日中家を空けている生活では、鉢を動かすこともできませんよね。
プランターに動いてもらおう
そんな悩みを解決してくれるのが自ら日の当たる場所に移動する自走型ロボットの「HEXA」です。この HEXA 、単に光を探し移動するだけでなく強すぎる日光を避けることもできるのだとか。
クモのような見た目の HEXA を開発した Tianqi Sun 氏は、枯れたヒマワリから着想を得て植物を乗せて動く機能を実現したのだとか。その場でじっと耐えるだけの植物を思いやる心から生まれた製品です。
植物が動物のように気候に合わせて日向ぼっこをしたり、日陰で涼めることができるようになったら素敵ですね。
光・水・風の管理機能にフルHDカメラがついたプランター「Bloomengine」
IoT (モノのインターネット接続)の活用により、遠隔操作で家電を操作することも今では可能になりました。それにより、給水機能と育成ライトを備えたスマートプランターと呼ばれる製品がいくつも登場しています。
中でも「Bloomengine」は植物を育てる上で重要な光・水・風を管理することができる本格派。最大 2 万 5,000 ルクスの LED 光源に換気用のファンを内蔵しており、必要最低限以上の機能を備えています。
高解像度カメラで成長記録を残せる
Bloomengine の優れた点はそれだけに留まらず、フル HD のカメラ(固定位置)もオプションで追加可能であること。写真を手軽に記録できるため、成長の過程を後から楽しむことができます。
ライトと給水機能に限定される製品が多い中、換気ファンとカメラまで備えたことがポイント高め。通風は植物を健康に育てる上で欠かせないポイントです。
植物の擬人化?表情が見えるプランター「Lua」
プランターからもう一つご紹介したいのが、植物の表情を見ることができる「Lua」。植物を育てていると唐突に弱ったり枯れてしまうように思えるかもしれませんが、実は不適切な環境に置かれて長い間じっと耐えていたのかもしれません。
今日の機嫌はいかが
感情表現する術がない植物に表情を持たせようというのが Lua のコンセプト。栽培する植物のタイプを設定すると本来必要な光量・水量と比較して、十分であれば笑顔になりますが、水が不足していれば喉が渇いた顔、光が不足していればドラキュラのようになってしまいます。
基準となる育て方と比較しているだけで、実際の植物の状態まで診断してくれている訳ではないのですが、パッと見ていま何が問題か分かること、より植物に愛着を持たせるアイデアが良いですね。
想像力と技術で園芸は変わるか
クラウドファウンディングサイトの indigogo や kickstarter には、日々新しいアイデアが製品化を目指して登場しています。
もちろん中には支持を得られずに日の目をみないもの、実用性を考えてしまうと疑問の残るものもありますが「想像力は人生でこれから起こることの予告である」という格言もあるように、想像力とテクノロジーが私たちの生活を変えるのは間違いありません。
ボタニークでは今後も挑戦的でユニークなアイデアを紹介していきます。園芸の常識を変える製品が誕生することに期待しましょう!