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南アフリカでバオバブが原因不明の大量枯死、世界最大の「サンランド・バオバブ」も

アフリカでバオバブが原因不明の大量枯死

南アフリカにある樹齢 2,000 年以上の巨大なバオバブの木が相次いで枯れているという、衝撃的なニュースが 「Nature Plants」で発表されました。

The demise of the largest and oldest African baobabs – Nature Plants

現地で調査を行ったのはルーマニアのバベス・ボヨイ大学のエイドリアン・パトルット氏(Adrian Patrut)らで、もっとも古い年代の樹木 13 本中 9 本が枯れたか、古い部分の幹などが崩壊しているとのことです。

世界最大の「サンランド・バオバブ」も崩壊

世界最大(放射性炭素年代測定法によって樹齢 6,000 年と推測)のバオバブとして知られる「サンランド・バオバブ」も今回の対象に含まれており、2016 年から崩壊が始まり現在では樹木の大半が倒れてしまいました。

バオバブは、円を描くように外側に幹が増えていく成長の仕組み上、内部に大きな空洞が自然に生まれます。サンランド・バオバブの内部にはかつて人が暮らしていた形跡があり、近年は内部を改装し 60 人も収容可能なバーが営まれていたことがあります。

観光地化し人がむやみに立ち入ったせいではないか?と思ってしまいますが、木が枯れる原因は直接的な人為的影響ではなく、温暖化の影響ではないかと有識者は考えているようです。

バオバブの大量枯死は地球温暖化が原因か?

今回バオバブが枯死した、または枯れかけていることが観察された個体の自生地は 1,000km 以上離れているものあります。そのため、バオバブの大量枯死の原因は局所的ではなく広範囲に影響を及ぼすもの、気候の変動がまず挙げられました。

十数体とサンプルが少ないこともあり、原因の確定とはいかないようですが、温暖化によって起きたと言われるカリフォルニアの干ばつでジャイアント・セコイアが枯れた例もあるため、原因として有力視されています。

気候の変化により世界中の森林がリスクに直面しているとはいえ、長寿の木の代名詞とされ数千年の寿命を誇るバオバブまでが枯れてしまったことは大きな驚きです。