いつもは捨ててしまう根っこやヘタなど、野菜の切れ端を水につけておくだけで、葉などの部分を再生させ収穫することができるのをご存知ですか?野菜端を用いた野菜の再生はリボーンベジタブルと呼ばれ、キッチンで簡単に・誰でも始められる手軽さが人気を集めています。
リボーンベジタブル(再生野菜)とは
植物が持つ成長能力を活用した野菜の再生はリボーンベジタブル(略してリボベジ)と呼ばれ、本来捨てるしかない野菜の切れ端からもう一度可食部を再生させるというもの。
水と容器だけで簡単に誰でも始めることができるので、家庭菜園をしてみたいけれど手間をかけたくないという方にもおすすめです。
SNSでも話題に
インスタグラムを #再生野菜 #リボベジ などのハッシュタグで検索してみましょう!多くの人がリボベジ画像を投稿しています。観葉植物のような感覚で、ちょっとおしゃれに見えるのもいいですね!
節約効果で家計の助けにも
野菜の価格が高騰したときには家計の助けに、さらにキッチンから出るごみを減らせるためエコ活動もなるリボベジ。今回は大根の葉の再生をしてみたいと思います。
大根のリボベジ – ヘタ部分を用いて葉を再生
葉が付いたままの大根のヘタ部分を用意します
通常は捨ててしまう大根の上部分(へたの部分)を用意します。大根部分が栄養分になるため、大きく残した方が長く栽培を続けることができますが、本来捨てる部分を活用することが目的なので、 2cm ほど残っていれば十分です。
葉の付いた茎部分もカットして良いのですが、すべて落としてしまうと再生しにくくなってしまうため、根本からは切らずに 3cm 程度は残しておきます。今回は葉が少なかったため、カットせずそのまま残しています。
大根を水に浸します
清潔な容器に大根を入れたら、大根の上部分がすべて浸らない程度に水を入れて放置するだけです。陽のあたる場所の方が葉が大きく成長も早くなりますが、置き場に困るようであればキッチンなど日の当たらない場所でも構いません。
【注意】容器は清潔に、水は毎日変えましょう
再生した葉の部分を食べるのであれば、水が腐らないよう必ず 1 日 1 回は水を交換するようにしてください。気温が高く、水が腐りやすい夏場は 1 日 2 回以上水を取り換えます。
水を日々交換していても、どうしても野菜の水に浸かる部分や容器がヌメりがちになります。水を交換する際に洗い流すようにしましょう。
大根のリボベジ – 3日目
残した葉の部分がすぐに成長
始めてからまだ 3 日目ですが、すぐに残した中心の葉が伸び広がり始めました。周りの茎は中央から押し出されて倒れてきています。
水を吸って膨らんだ切り口。大根を再生する場合、根が生えるわけではなく切り口から水を吸い上げます。
大根のリボベジ – 5日目
新しい茎が生えて外側は抜け落ちる
さらに葉が大きく成長し、押し出された周りの茎は数本抜け落ちました。中央部分からは新しい茎が生え始めています。
新しい茎が生えたら、外側の茎が倒れる前に収穫していくサイクルを繰り返せばよさそうです。葉はぎっしりと密集して生え、鮮やかな緑色も綺麗なので容器を変えればちょっとしたインテリアにもなりそう。
大根のリボベジ – 10日目
安定して続く葉の再生
葉は大きく成長しないので収穫できる量はそれほど多くはありませんが、味噌汁の具や炒め物などに入れることで、おかずに彩りと栄養が加わります。
毎日目に見えて葉が成長していくので、子供が休み期間の栽培日記の題材にするのも良いと思います!
根は生えません
大根の切り口を見ると、少し黒ずみゼリー状になってきています。始める前はもしかすると水分を吸い上げるために根が生えてくるのでは?と思いましたがそのような再生能力はありませんでした。
また、毎日水を取り替えていますが容器のぬめりが気になるようになってきました。放置するのも気持ちが悪いので水を換える際に容器を洗う作業が負担に感じます。
大根のリボベジ – 15日目
2週間経っても再生能力は衰えず
大根のリボベジを開始して 2 週間が経ちましたが、4〜5 日おきに新しい葉が生え、成長すると古い外側の葉を押し出していくサイクルに変わりはありません。
ところで大根の葉って栄養はあるの?
βカロチン、ビタミン、カルシウムが豊富
大根の葉の部分は緑黄色に分類され、ビタミンのほかカルシウムやカリウムなどのミネラルを含み、ほうれん草や小松菜といった身近にある野菜と比べても遜色無いほどの栄養素を摂取することができます。
大根のリボベジ – 30日目
大根が黒ずみドロドロに
まだ新しい葉を出そうとしているものの、葉は萎れ土台が腐ってきました。水を頻繁に変えてもすぐぬめりが残ってしまうので、悪臭がする前に再生栽培をストップすることにします。
ここまで続ける必要は全くありませんが、大根のヘタの部分をたった 2 cm ほどを残しただけで、ひと月は再生を続けられることが分かりました。
再生栽培をしていた間は中央から新しい葉が次々と生えてきました。根を土に張っているわけでも、十分な日光を与えてもいないのに野菜の成長する能力には驚くばかりです。
大根のリボベジは水の交換とぬめりがネック、難しい作業はなし
ひと月やってみた大根のリボベジ、水を入れてキッチンに置いておくだけと至って簡単ですが、水を毎日換える作業とぬめりが発生してからは容器を洗わなければならず面倒に感じました。
大根 1 つだけでは収穫できる量が作業に比べ少ないので、同時に幾つかの野菜の再生栽培をした方が良いと思います。葉が日々成長する姿に癒されることもあるので、目的を収穫だけに限らず始めてみてはいかがでしょう!