ブックレビュー『BRUTUS No. 821 BIZARRE PLANTS HANDBOOK 2 まだまだ珍奇植物』

ブックレビュー『BRUTUS No. 821 まだまだ珍奇植物』

雑誌『BRUTUS』による珍奇植物特集の第 2 弾「BIZARRE PLANTS HANDBOOK 2 まだまだ珍奇植物。モードな園芸2016 開幕編。」が、4月1日に発売されました。

昨年9月に刊行された「BIZARRE PLANTS HANDBOOK 珍奇植物。いま一番、モードな園芸。」に続くもので、今回もマニアックな仕上がりとなっています。

Eric Hunt/Flickr

まず、表紙は乾燥した エクメア・トリアングラリスAechmea triangularis )。元々は明るいグリーンの葉に黒い棘が特徴ですが、乾燥し収縮したことで壺形がより際立ち、葉は長い花弁のようにも見えます。枯れてなお異彩を放つその形状は、書店の棚の中でも特異な存在感がありました。

パキポディウム・ナマグアナムPachypodium namaquanum)、ブーファン・ハエマンソイデスBoophane haemanthoides)など、魅惑的な写真を見ているとついついネットで買えるところを検索したくなりますが、そこはぐっと我慢です。

紹介されている珍奇植物は熱帯の南アフリカ、南米原産の植物が多く、家の日照スペースを考えると十分な育成環境を用意できそうにありません。それに結構いいお値段しますから・・・

 

やっぱり温室が好き

熱帯植物の愛好家であれば、自宅に大きな温室を設けたいとは誰もが思うところ。本書で紹介される石井彰洋さんのようにワインセラーを改造して熱帯植物栽培装置に作り変えたり、ドイツの元植物学者が自宅横に高さ 8m の巨大温室を建てたりしているのを見ると、その行動力に驚きつつも羨ましさで胸がいっぱいになります。

日常に珍奇植物を

家に温室を構えることのできないけれど生活にちょっとだけエキゾチックな要素を取り入れたい、という方にはインテリア雑誌よろしくおしゃれに珍奇植物を飾る部屋が紹介されている「植物のある家。」が参考になります。

誌上で紹介されている植物の多くは国内では入手が困難であり、日本国内での栽培方法中も確立してないものばかりですが、塊根植物は日本の気候でも対応できるため比較的おすすめかと思います(冬期は室内管理が必要)。

眺めるだけで満足するのは難しいこの一冊、珍奇植物ブームに一層拍車をかけそうです。