桜も見頃を過ぎ、これから多くの花の開花が始まりますが、早咲きのチューリップなどは花が咲き終わっている時期でもあります。
花が萎れてしまったら、そのまま放置しないで忘れずに花がら (咲き終わって萎れた花弁のこと) を摘んであげましょう。
どうして花がら摘みをした方が良いの?
見た目・衛生的に良くない
まず萎れた花をそのままにしておくと見栄えが良くない、枯れた花に害虫がついてしまう、腐ってカビが発生する、といったことがあります。
結実すると多くの養分を使ってしまう
花を長く楽しむ上で問題になるのが、花がら摘みをせずに結実させてしまうとそちらに養分を多く使うために、以後の花つきが悪くなり株も弱ってしまうことです。
ヒヤシンスなどの球根を翌年も楽しむのであれば、種をつくると球根が萎んでしまい翌年花を咲かせないこともあるので、早めに摘んで球根の養分が失われないようにしましょう。
ヒヤシンスの花がら摘み
ヒヤシンスの球根は育てやすく、水やりを多めにする以外に特に気をつけることがないほど簡単に見事な花を咲かせてくれます。
また芳香も爽やかで、早春しか鑑賞できないのが残念なほどです。来年も綺麗な花を咲かせてくれるように、鑑賞後は花がらを摘んであげましょう。
萎れた花から順次摘み取る
ヒヤシンスは満開になったのち上から徐々に萎れていくので、萎れたものから一つ一つ手で摘み取っていきます。
ヒヤシンスの汁液にはシュウ酸カルシウムという人体に有毒な成分が含まれているため、作業は素手で行わないよう注意してください。
今回はまとめて摘み取っていますが、萎びたもの・枯れたものから気づいたらなるべく早めに摘み取りましょう。
摘み取りが遅いと結実が始まる
花が枯れるまで放置していたので、一つ結実が始まっていました。このままにすると中に種が作られるのですが、種からヒヤシンスを育てるには 6 年かかるのだとか。
興味のある方は種を採取してみるのも楽しみ方の一つですが、同じ球根を来年も咲かせたいときは結実する前に摘んであげてください。
チューリップの花がら摘み
続いてはチューリップです。冬の前から球根を植え込み、1 週間 〜 10 日程度と花の咲く期間は大変短いのですが、冬の終わりと春の訪れを知らせてくれるとても美しい花です。
子房を切り取る
花後、チューリップは花びらに包まれていた部分 (子房) を切り取ります。
光合成を行っている葉と花茎の部分は、球根に栄養を与えるために必要ですので、自然に枯れてくるまでそのまま残しておきます。
葉も枯れてきたら掘り上げる
ヒヤシンス・チューリップともに 5 〜 6 月になると残した葉の部分が枯れてくるので、球根を掘り上げて風通しのよい日陰にて保存します。
花がら摘み後に球根に十分に栄養を溜め込むことができれば、また来年も美しい花を付けてくれることでしょう。