インテリア ピックアップ 多肉植物・サボテン

多肉植物のテラリウムづくりに挑戦しよう!

多肉植物でテラリウムを作る前に知っておきたいこと

多肉植物は本当はテラリウムに適していない

密閉・半密閉にしたテラリウム内では水分が気体・液体の状態を循環するので常に高い湿度が保たれます。多湿を好む観葉植物や苔には適していますが、多肉植物は湿度を嫌い風通しの良い環境を好みます。テラリウム内は多肉植物にとってあまり適していない環境であることを念頭に置いてください。

開口部が狭く縦に長い形状の容器も空気の循環を妨げ、湿度を上げてしまうため多肉植物のテラリウムには適していません。できれば開口部が広く、内部の蒸れにくい容器を選んでください。

用土は排水性の高いものを選ぶ

多肉テラリウムの用土

排水穴のあるテラリウムであれば、一般のサボテン用の土で問題ありません。数種類の用土を用意してカラフルな層状にしたものはインテリアとしても楽しめます。

問題は排水穴のない場合で、水はけの良いサボテン用の土でもなかなか乾燥せずに湿った状態が長く続いてしまうと根腐れを起こします。そのため、下部に小さな軽石・砂利の層を設けて、用土が下に溜まった水分を吸い上げないように工夫します。軽石・砂利の層と用土の層の間に、水苔などを敷くことで用土が下に落ちるのを防ぐことができます。用土に根腐れ防止剤を混ぜておくのも良いでしょう。

ただし植物は下部まで根を伸ばしていくため、小さなテラリウムではいずれ砂利の層にまで根が達し、乾燥しすぎるか水に漬けた状態になるという問題もあります。テラリウム内では長期育成をせず、ある程度大きくなったら植え替える心づもりでいた方が良いかもしれません。

水やりは控えめに

多肉植物は砂漠地帯に自生しているので水が好きではない、という神話がありますが誤りです。水分を蓄える能力があるため、水やりの間隔が他の植物よりも少し長いだけです。より良い成長には日照と同様に適切な量の水分を必要とします。

実は多くの多肉植物も水栽培できるほどなので、根が湿っていることは大きな問題にならないのですが、排水できずに古い水が溜まってしまうと水が腐って雑菌が発生し、根腐れを起こしやすくなります。ただしテラリウムは水の蒸発が遅く、排水穴のない容器を用いることが多いため、水やりは控えめにします。

通気が悪く排水穴のない容器を使用する場合、底に 2cm ほどの水分が溜まっている状態でも乾燥するのに1ヶ月以上かかるため、その間の追加の水遣りは不要です。乾燥に数ヶ月かかるほどの水分は水が腐るので与えないようにしましょう。夏場・冬場は根腐れを起こしやすいので特に注意が必要です。

多肉植物 テラリウム

上層に排水性のあるゼオライト等を用いるのも根腐れ防止になります

日光の当て過ぎに注意

テラリウムで多肉植物を育てる場合、日光は大変難しい問題です。多くの多肉植物は日光を好みますが、テラリウム内はガラスで高温になるため、直射日光を当てるという選択肢はありません。もしうっかり夏場に直射日光下に放置したものなら、小一時間ほどで蒸し焼きになってしまいます。

遮光した窓際などに置くのが好ましいのですが、夏場は蒸れすぎないよう注意します。どうしても日照が不足した状態になりがちのため、出来れば人工的な植物育成ライトを当ててあげたいところです。

テラリウム作成手順

  1. 小石・砂利の層を作る

    多肉テラリウム

    容器の底に小石または砂利を敷き詰め、排水性を確保します。厚みは 2cm 〜 3cm ほどあれば十分です。なお、容器は必ず清潔に洗浄しておいてください。

  2. 用土の層を作る

    サボテン・多肉に適した用土を入れます。複数の層を作りたい場合は、用土の下にカラーサンドなどを用いるとよりインテリア性のあるテラリウムになります。

    多肉植物 テラリウム

    多肉植物を中央に寄せるイメージで、中央を空けて外側を高く盛るようにします。

    多肉植物テラリウム

    続いてサボテン用など、水はけの良い用土を盛ります。ここではカラーサンドと用土が混ざらないよう、排水性も考慮して砂利の層を追加しています。

    このときも多肉植物を植える位置をイメージして中央にスペースを空けておきます。

  3. 多肉植物を植える

    多肉植物 テラリウム

    多肉植物をレイアウトしていきます。根をしっかりと用土に植えたら、化粧石を上層に敷き詰めます。

  4. 飾り付け

    多肉植物 テラリウム

    最後にフェイクグリーン、鉱石、流木、貝殻など好みのスタイルで仕上げましょう。小さなフィギュアを置いたり、遊び心を加えあなただけの世界を表現できれば、一層愛着の湧く作品になるはずです。