今年 6 月、カナダ議会は嗜好を目的とした大麻の使用を認める法案を可決しました。アメリカですら全国的には解禁されていない中(州によっては合法)、主要 7 カ国(G7)では初の嗜好用大麻の使用を合法化する国となります。
南米ウルグアイに続くカナダの大麻解禁
大麻の合法化を公約に掲げ当選したトルドー首相が当選してから、大麻の合法化に向けた動きが活発になっていました。世界では南米のウルグアイに続く二ヶ国目の国レベルでの合法化となります。
アメリカでは全国的には非合法であるものの、 28 の州で医療用あるいは制限付きの嗜好用の大麻の使用が合法化されています。大麻を合法化した国や地域では、非合法でありながらすでに大麻の使用が常態化しており、犯罪組織の資金源の一つとなっていたという背景があります。
そのためこの流れが日本へ直ちに影響するということはないものの、旅行者が海外で大麻を入手することは容易になっていくでしょう。
大麻関連企業が相次いでIPO実施
2017 年の大麻市場の売り上げは 1 兆円を突破、2021 年には世界で 3 兆円を超える規模まで急速に成長するとされています。これは合法な市場に限定した数字であるため、潜在的な市場規模はさらに大きいものと考えられます。
倫理的な問題を抱えながらも合法化が進んでいるのは、大麻産業による税収入の増加が理由として挙げられます。アメリカで大麻を解禁したコロラド州、ワシントン州などでは大麻関連の税収が数十億円に達しており、主たる税収源のない地域にとってはまさに麻薬のように魅力ある産物なのです。
今年に入り、大麻関連企業が相次いで米国市場で IPO(新規株式公開)を実施するなど、大麻ビジネスが新たな産業として確立されたことは間違いのない事実です。