アローディア・プロセラの基本情報
アローディア・プロセラ(Alluaudia procera、和名:亜竜木)はマダガスカル南西部固有のディディエレア科に属する多肉植物で、緑色の小判状の葉と背骨のような灰白色の茎が特徴です。上方への成長が旺盛で樹高は約 20m、幹の直径は約 30cm にまで成長します。2〜3cm ほどの鋭い棘が幹全体を覆っているため取り扱いには十分な注意が必要です。なお、プロセラの棘はサボテンの棘とは異なり、樹皮の一部が突出したものです。
マダガスカル南西部においては、44,000 km² におよぶ地域にディディエレア科をはじめとする有棘種が多く生息し、「Spiny forest(棘の森)」と呼ばれる地域を形成しています。プロセラは現地ではもちろん園芸種などではなく、幹の中心部に心材があるので加工して建設材にしたり、木炭の材料として用いられるそうです。乾燥地では板材として利用できる樹種が少ない中、極地利用が期待できる数少ない樹種としても注目されています。
プロセラを初めとするディディエレア科はサボテン科とは近縁でありながら、他の多肉植物とは一線を画す形態をしています。マダガスカルの苛酷な環境下で独自の進化を遂げた結果、現在のような樹木に似た性質を獲得するに至ったのでしょう。
なお、アメリカのカリフォルニアに自生するフォークイエリア・スプレンデンス(別名オコティロ、Ocotillo)と非常に外見が似ているため、プロセラをマダガスカル・オコティロ(Madagascar Ocotillo)と呼ぶこともあるのですが、実際には両種に関連はありません。
アローディア・プロセラの育て方
直射日光のよくあたる場所で乾燥気味に管理します。原生地であるマダガスカル島南西部は年間降水量が 380mm に満たない乾燥地帯です。日光が不足すると幹が細く伸びてしまうため、とにかく一年中日当たりの良い場所で管理してください。日本の真夏の直射日光下でも問題ありません。
成長に適した気温は 20〜30 度で、10 度以下になる場合は屋内や温室内での管理が望まれます。とはいえ耐寒性が全く無いかというとそうでもなく、大きく成長した剛健な株であれば 0 度近い野外でも冬越しが可能です。ですが、自生地の気候を考えると年間を通して高い気温を保ってあげたいところです。
水やり
乾燥を好むため水やりは控えめにします。気温が 25 度以上になる成長期の夏でも週に 1~2 回程度で構いません。温室外で管理する場合、春・秋はさらに水やりの回数を減らします。気温が下がる冬にはすべての葉を落とし休眠状態に入るため、翌年の春まで水やりを完全に停止します。
翌年春以降に気温が上がり、葉が芽吹き出してから水やりを再開しますが、初めはたっぷりと水を与えず徐々に水やりの回数と量を増やしていきます。
肥料
夏の成長期に希釈した液体肥料を与えます。ただし、上にぐんぐんと伸びていくのであまり樹高を高くしたくない場合は肥料を与える必要はありません。
アローディア・プロセラの増やし方
挿し木
プロセラは挿し木で容易に増やすことができます。注意するのは必ず気温の高い夏に行うことくらいで、用土や水やりにもそれほど気を使うことなく発根してくれます。
- 15〜30cm ほどの長さに枝を剪定します。
あまり短すぎると根付きにくくなります。30cm よりも長い分には問題ありません。 - 用土に挿す部分の葉や棘を取り除きます。
- 切り口を殺菌し、発根促進剤(メネデール、ルートンなど)を塗布します。
プロセラは非常に生命力が強いので充実した枝を使っていればこの工程は省いても構いません。おまじない程度に思っておいてよいでしょう。 - 挿し木用の土に 4〜5cm ほど枝を挿し込みます。
切り口が乾くまで待つ必要はありません。すぐに水は与えず、2〜3 日経ってからたっぷりと水やりをします。
アローディア・プロセラについての雑学
- マダガスカルの固有種であるディディエレア科の全種がワシントン条約の附属書II類に指定されています。
- 1 年目は水平方向に葉が生えますが、翌年には同じ場所から2枚の葉が垂直方向に生えてくる特性をもっています。
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詳細情報
和名 | 亜竜木 |
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分類 | |
学名 | Didiereaceae Alluaudia |
原産地 | マダガスカル |
特徴 |