チューリップの基本情報
チューリップはトルコのアナトリア中央アジア辺りが原産の球根植物です。原種だけで100種類以上を数え、世界中で様々な改良品種が誕生しており、現在では数千種のチューリップが世界中で育てられています。
チューリップの品種は「オランダ王立球根協会」が 1981 年に制定した分類法に従い、開花時期によって早生種(3月下旬~)、中生種(4月中旬~)、晩生種(4月下旬~)の3つに大別されます。さらに大きさ、花姿などによって15系統に分類されます。
チューリップの栽培は球根から育てるのが一般的で、国内のホームセンター、園芸店ではオランダ産のものが多く流通しています。国内では富山県・新潟県の 2 県で国内生産量の 100% 近くを占めており、2 大生産地として知られています。
球根を購入する際は大きく重みがあって外皮に艶のある、発根部に傷がない球根を選びます。既に発根していたり分球している球根は避けましょう。
チューリップの写真
チューリップの育て方
球根の植え付け時期
チューリップの根が伸びる適温は 10~15度くらいです。地域によって時期にずれがありますが、これはおおよそ紅葉のシーズンにあたるので、紅葉が見頃になったらチューリップの植え時と覚えておくと良いでしょう。関東であれば 11月上旬から一ヶ月ほどが球根の植え付けに適した気候になります。
球根を植える準備
発根部の表皮を取り除く
球根を植える前に、発根部(赤い部分)が表皮で覆われているようであれば、球根を傷つけないよう注意して表皮を剥いて取り除きます。そのまま埋めても根は出ますが、カビが生えたり表皮が妨げとなってまっすぐ下に伸びていかない場合があるので、発根部の表皮は取り除いてあげましょう。
わき芽の処理
画像の 3 箇所のように、球根の下部にわき芽が付いていることがあります。放っておくとここからも芽が伸び、球根の栄養が使われてしまいます。メインの球根の花を大きく咲かせるために、わき芽はすべて取り除きます。
球根を植える向き
チューリップの球根は葉の出る向きがある程度決まっており、球根のへこんだ側から1枚目の大きな葉が生えてきます。
鉢植えのようにあまり間隔を空けずに植える場合は、球根の平らな部分を外方向に揃えて植えると良いでしょう。球根の向きを揃えずにばらばらに植えると、葉が重なってしまいます。
水やり
球根を植え付けた直後の根が伸びる時期はたっぷりと水を与え、水を切らさないように注意します。
チューリップの根が一度乾燥してしまうと水を吸引することができなくなり、成長の妨げとなります。翌年花が咲かない原因となってしまうので、根が十分に育つまでは必ず水やりを忘れないでください。
チューリップを育てるときに注意したい病気と害虫
病気
灰色かび病、褐色斑点病
草花、野菜、庭木、らん類、球根などほとんどすべての植物がかかる病気で、特に雨が多く湿度の高い時期にかかりやすくなります。
発病してしまうと球根が痩せてしまうため、予防的に薬剤を散布します。また、植える間隔を開け通風を良くしたり、排水性の良い用土を使用して湿度を下げることも有効です。
残念ですが発病してしまった株は周りに伝染する原因となるので、抜き取るようにしましょう。
チューリップの花言葉
チューリップ全般
「思いやり」
赤色のチューリップの花言葉
「愛の告白」
白色のチューリップの花言葉
「失恋」
黄色のチューリップの花言葉
「実らない恋」「望みのない恋」
チューリップに関する雑学
富山・新潟の2県で国内の生産シェアほぼ100%
国内におけるチューリップの球根生産は富山県、新潟県の 2 県だけで全国シェアの 100% 近くになります。栽培を開始した大正時代に球根の価格が高騰したことから多くの農家が米の裏作として栽培を開始、北陸の冷涼な気候がチューリップの栽培に適していたこともあり、両県内で球根生産業が定着しました。
品種保有数と球根出荷数に関しては富山県が、切り花の生産量では新潟県が日本一を誇ります。なお、両県ともチューリップが県花に指定されています。(出典:農林水産省 北陸農政局)
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