カエデ(モミジ)の基本情報
カエデ(楓)はムクロジ科カエデ属の落葉高木の総称。深い切れ込みのある葉形がカエルの手に似ているため「カエルデ」から転じてカエデと呼ばれるようになりました。
江戸時代に園芸が発達するに伴い、カエデの葉の形や色の変化が鑑賞対象となり品種改良が進み、ノムラモミジやベニシダレなど多くの園芸品種が生まれています。
日本には現在 26 種が自生しているとされ、そのうち最も多く見られるのはイロハモミジで、名前は 5〜7 つに分かれる葉先を「いろはにほへと」と数えたことに由来します。なお、葉は中心を通る葉脈を中心に対生し基本的に奇数に分かれ、9 つになることもあります。
カエデの種子
カエデの種子は基本的には親木の周囲に落下するタイプですが、種子本体の周辺には薄い平面状の羽根(翼果)が付いています。落下の際に風や空気抵抗を羽根に受けると回転しながら舞うようにゆっくりと落ちるため、親木の真下でなく少し離れた場所へ届くことができます。
モミジと呼ばれることもありますが、カエデを指して言う場合や、その他の樹木が紅葉する現象を指して言うこともあります。盆栽でカエデと言えば主に葉先が3つに分かれているトウカエデを指し、5 つ以上のものをモミジと呼び区別します。
カエデ(モミジ)の写真
カエデ(モミジ)の育て方
耐陰性があり、半日陰から日なたで育ちます。乾燥は避け、水はけがよく湿度のある土壌を好みます。
肥料
庭植えの場合、肥料を与えるタイミングは 2 月の寒肥と、初夏(4〜5月)の成長期、9 月の追肥があります。
寒肥は 1〜2 月のカエデが休眠状態の時期に有機質の肥料を施します。木の根元ではなく枝先の真下あたりに、壺肥・輪肥といった方法で肥料を埋め込みます。この時期は根の活動が低下しているので多量の肥料を与えても根を痛めることなく、成長が再開される春先に無理なく吸収を始めることができまず。また、有機質肥料には土壌改良作用も期待できるので地植えの樹木には重要な肥料です。
秋まで肥料の効きが続きすぎると、枝が伸び続けることで紅葉が遅れることがあります。成長旺盛な株には秋の肥料は避けるようにしましょう。
カエデ(モミジ)を育てるときに注意したい病気と害虫
病気
湿気の続く梅雨時にはうどんこ病が発生することがあります。
害虫
カミキリムシの食害により、被害を受けた枝の葉だけが早く赤や黄色に変色することがあります。成虫は主に樹皮を食害しますが、幼虫は幹の中をトンネル状に食い荒らし、食害にあった木全体の葉が変色します。鉄砲の弾が通ったような細い穴を空けるため、カミキリムシの幼虫はテッポウムシと呼ばれます。
カミキリムシの幼虫は成虫になるまで幹の中で過ごすため外からは見つけにくいのですが、食害を受けていれば木くず状の排泄物が木の根本に溜まるので、付近の虫食いの穴を探し薬剤を注入して駆除します。
病気や害虫が原因で時期外れに変色した葉を「病葉(わくらば)」といいます。
カエデ(モミジ)の増やし方
種を蒔いて増やすことができます。種子に羽根(翼果)が付き熟してきたら、頃合いを見計らって落ちる前に採取し早めに蒔くようにします。秋に蒔けば翌年の春に発芽します。
完全に熟したり、乾燥してしまうと発芽に 2 年以上かかるので、すぐに蒔くことができない場合は濡らした新聞に包むなど湿度を保って保管します。
種蒔きの用土は種子よりも小さい赤玉土を用い、種が隠れる程度に上から用土をかぶせたのち、半日陰で用土が乾かないように管理します。
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詳細情報
和名 | カエデ(楓) |
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分類 | |
学名 | Acer |
形態 | 高木 |
原産地 | アジア、ヨーロッパ、北アメリカ・北アフリカ |
特徴 |