アサガオの基本情報
室温を下げる緑のカーテンや、小学生の観察日記の課題として夏に大活躍の一年草つる性植物であるアサガオ。繁殖力が旺盛で容易に栽培することができ、白やピンク、青や紫の鮮やかな花を毎朝楽しむことができます。
アサガオは日本原産の植物ではなく、奈良時代末期~平安時代に遣唐使がその種子を薬として持ち帰ったものが始まりとされ、現在では日本で最も発達した園芸植物のひとつです。
伝来後は種を下剤・利尿剤にするための薬用植物として見られていましたが、江戸時代に朝顔栽培が流行したのを機に品種改良が大きく進み、観賞用植物として定着しました。
一般的にはつるを支柱にらせん状に絡ませるあんどん仕立てや、つるを長く伸ばして遮光カーテンとするイメージがありますがつるが伸びない矮性の品種もあります。
アサガオの写真
アサガオの育て方
日当たりと風通しのよい場所で育てます。耐暑性があるので真夏の直射日光も問題ありません。
用土
有機質に富んだ水はけのよい土が適しています。市販の草花用培養土でも構いませんが、自身で配合するのであれば赤玉土と腐葉土(赤玉土多め、あれば川砂も混ぜる)、用意できれば赤玉土 5:堆肥 2:腐葉土 2:くん炭 1 の混合土が良いでしょう。
水やり
アサガオはとても水を好む植物です。特に開花後は水切れしないよう毎日たっぷりと水やりします。気温の高くなる前の朝と、気温が下がった夕方 2 回の水やりが必要です。
肥料
元肥として緩効性肥料を用土に混ぜておき、週に 1 回程度液体肥料を施します。花を次々に次々に咲かせるため、窒素・カリウムよりもリン酸を多めに与えます。
アサガオを育てるときに注意したい病気と害虫
害虫
ハダニが葉の裏に発生することがあります。また、ショウリョウバッタはアサガオの葉を好んで食べます。
アサガオの増やし方
種まき
発芽には気温 20 度以上の日が続く必要があるため、播種の時期は初夏が適しています。アサガオの種は表皮が硬いのでカッターやはさみなどで表皮を薄く削って発芽しやすくします(芽切り)。
- 種子の表皮をカッター等で削り発芽しやすくする
- 1~2 cm ほどの深さに種を撒き軽く土を被せます。このとき種は丸い方を上にします。
- 芽が出るまで毎日乾燥しないよう水やりをします
- 1 週間ほどで発芽します
- 種まきポットで栽培している場合、双葉が開き本葉が出てくる頃大きな鉢に植え替えます
- 本葉が 7〜9 枚くらいになったら摘心(先端の芽を摘む)します。摘芯をすることで脇芽が増えてより多くの葉と花を付けます
アサガオは種を採取し、翌年また蒔くことで繰り返し増やすことができます。
アサガオの種子
アサガオの子房は内部で 3 つに区切られており、それぞれ 2 つずつの胚珠から合計 6 つの種子がつくられます。
6 つの胚珠すべてが受精すると 6 つの種子が、受精に失敗した胚珠があると種子の数は 6 つより少なくなります。また、稀に子房内部の区切りの数が 4 つになることがあり、その場合は最大 8 つの種子がつくられます。
アサガオの花言葉
「明日もさわやかに」「はかない恋」「貴方に私は絡みつく」「愛情」「平静」
アサガオに関する雑学
なぜ江戸時代に大ブームとなったのか
- 江戸時代に発生したアサガオ栽培の流行は、文化3年(1806年)の江戸の大火で下谷に広大な空き地ができ、そこに下谷・御徒町村付近の植木職人がいろいろな珍しい朝顔を咲かせたことに端を発します。花姿の優れたアサガオは菊や万年青のような高級植物並みの価格で取引されたといいます。
- 江戸時代に作り出されたアサガオの中には黄色と黒色の品種があったとされていますが、現代には伝えられていないため「幻のアサガオ」とされています。2014 年には鹿児島大学、サントリーグローバルイノベーションセンターなどが遺伝子操作によって黄色のアサガオの再現に成功しました。
アサガオは秋の季語
- 夏のイメージの強いアサガオですが、俳句では秋の季語として用いられます。というのもアサガオは旧暦だと 7 月、現在の 8 月以降に咲くのが本当の花期であり、季語を区分するときに立秋(8月7日頃)から立冬(11月7日頃)の前日までを秋とするためです。ちなみにスイカも秋の季語に分類されます。
なぜ朝と夕で花の色が変わるの?
- アサガオの花の色が朝と夕で変化するのは、花の色素であるアントシアニンが pH (水素イオン濃度)によって色を変えるためです。pH が低い酸性では赤色、中性で紫色、pH の高いアルカリ性では青色になります。夕方に萎んだ花は pH が下がるので赤色が強くなります。
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