ススキの基本情報
秋の風物詩であるススキは日本全国の野原や道端に自生する多年生の宿根草で、花穂が動物の尾に似ていることから「尾花」とも呼ばれる秋の七草の一つです。
春に葉が生え始めて 8〜11 月に茎の先端に花を付けます。秋の終わりには穂にたくさんの毛のついた果実がつき、風によって遠方へと運ばれます。花後に冬が来ると地上部は枯れますが、翌春にはまた新芽が出てきます。
九州・沖縄などに自生するトキワススキはススキと良く似ていますが常緑で、最大 4m ほどにも成長します。
魔除けに用いられるススキ
ススキの鋭利な葉の形と鋭い切り口には魔除けの効力があるとされ、沖縄ではススキを輪っかに結んだものを「サン」と言い、食べ物に供えたり外出時に持ち歩く風習があります。
サンはススキ 1 本で作れる小型のものですが、3 本以上(奇数本)をまとめて作る大型のものはサンよりも効果が強い「ゲーン」と言い、家の四方や家畜小屋・田畑に立てることで厄災を防ぎます。
バイオ燃料の原料として注目されるススキ
また、ススキは将来バイオエタノールの原料となるバイオマス資源作物としての活用が期待されています。
ススキは栽培に手がかからず肥料をそれほど必要とせず、低温環境下でも光合成能力が落ちないため寒冷地でも栽培が可能であり、1 年生のトウモロコシと違い毎年畑を耕す必要がなく栽培コストもかからないという生産上の利点があります。
またススキとオギの交配種であるジャイアントミスカンサスは、ススキよりは耐寒性に劣るものの寒冷地でも栽培が可能で、ススキ以上の収穫量が見込めるとして実用化に向けた研究が行われています。
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