アジサイ

和名
アジサイ(紫陽花)
分類
アジサイ科 アジサイ(ハイドランジア)属
学名
Hydrangea macrophylla
原産地
日本

アジサイの育て方〜毎年綺麗に咲かせるための剪定方法

アジサイの基本情報

アジサイは、世界で広く親しまれている日本産の落葉低木で、梅雨どきに咲く代表的な花木です。丈夫で育てやすく、乾燥しないように気をつければ鉢植えでも庭植えでも容易に栽培することができます。

アジサイの名は、広義にはアジサイ属(ハイドランジア属)のうち、椀状や円錐状の花序をつける植物の総称として使われています。狭義には、ガクアジサイ(H.macrophylla f. normalis)が変化した手まり咲きのアジサイ(H. macrophyllaf. macrophylla)を指します。ガクアジサイは椀状の花序の周辺だけが装飾花で額縁のように見えますが、手まり咲きは花序全体が装飾花に変化したもので、H.macrophylla f. otakusa の学名を当てることもあります。

アジサイの花の色は土壌の酸性度に影響され変化します。酸性の土壌では青色の花となるため、過リン酸石灰や硫安を株元に施します。また中性から弱アルカリ性の土壌では赤色の花となるので、消石灰や苦土石灰を施します。

アジサイの写真

アジサイの育て方

耐陰性もありますが、花つきをよくするには日当たりのよい場所が適します。やや湿り気のある肥よくな土壌を好みます。

用土

アジサイの花の色は土の酸度によって変化します。青色にするときは酸性に、赤・ピンクにするときはアルカリ性にします。日本の土壌は基本的に酸性なので、特に意識しなければ青い花を咲かせるでしょう。

・青アジサイの用土
【赤玉土(小粒)5:腐葉土 3:ピートモス 2 】の割合で混ぜた土を使用します。花ごころよりより青いアジサイが咲く『青アジサイの青をつくる水』という商品も販売されています。

・ピンクアジサイの用土
【赤玉土(小粒)7:腐葉土 3】の割合で混ぜた土に一握りの消石灰や苦土石灰を混ぜ込みます、ただし水溶性のため水やりによってアルカリ性が薄まっていくので、定期的に追加する必要があります。混ぜ込む消石灰、苦土石灰の量が多すぎると生育が悪くなるのでやりすぎに注意してください。

水やり

アジサイは基本的に乾燥を嫌うため、地植え・鉢植えともに水切れに注意します。乾燥が続くと生育も花つきも悪くなってしまいます。春と秋は 2 日に 1 回程度、夏の高温期は朝と夕方の 1 日 2 回、冬は用土が乾燥してから水を与えます。

肥料

・冬の寒肥
春に展開する新葉のため、2〜3 月に緩行性の肥料を与えます。

・花後のお礼肥
速効性の薄めた液体肥料を 10 日に 1 回程度与えてあげましょう。

アジサイを育てるときに注意したい病気と害虫

病気

うどんこ病、モザイク病、斑点病、炭そ病
うどんこ病を予防するには、込んだ枝葉を剪定して通風をよくします。

害虫

春から夏にかけてオオミノガ、カイガラムシ、アブラムシなどが発生することがあります。

アジサイの剪定方法と時期

アジサイは剪定をしなくても生育上の問題はないものの、アジサイの花芽は枝の先端につくという性質上、景観上の問題で樹形を整えるために剪定してあげましょう。アジサイの生長はとても早く、どんどん広がっていくので株が大きくなり過ぎないように剪定する位置を調整しましょう。

剪定の時期

6~8月下旬ごろ、アジサイの花が咲き終わったタイミングがアジサイの剪定の適期です。花色が色あせ見頃を過ぎたなと感じたら、花から 2 節ほど下の部分で切り落とします。剪定のポイントは「新芽」が出てくるところを残しておくことです。アジサイは今年咲いた花の下部に翌年の花芽がつく事が多いため、深く切りすぎると翌年の花が咲かなくなることがあります。

アジサイの植え替え方法と時期

鉢植えの場合、花が咲き終わった 7~9 月頃にひと回り大きな鉢に植え替えます。生長が旺盛で根づまりを起こしやすいため、1 年に 1 回の植え替えが必要です。地植えの場合は休眠期の 11~2 月頃に植え替えます。

アジサイの増やし方

さし木:3月から4月に前年枝を用いて春ざしをするか、6月ごろに当年枝を用いて夏ざしをします。いずれの季節も充実した穂木を使用します。

株分け:植え替えの適期に行いますが、小分けにしすぎないよう注意します。

アジサイの雑学

  • アジサイの漢字にあてられている「紫陽花」は誤用。平安時代中期の歌人・学者である源 順(みなもとのしたごう)が 930 年頃に編纂した『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』の中で、唐代中期の詩人白居易が名前のない紫の花に「紫陽花」という名をつけたのを日本のアジサイのことと誤認し記したため、以降「紫陽花」の漢字が広まったとされます。
    それ以前の漢字は「味狭藍」「安治佐為」などが用いられていました。「紫陽花」が誤りと指摘された後も改められなかったのは、その漢字の組み合わせが秀逸であり、アジサイのイメージに適っていたこともあるかもしれません。
  • アジサイの葉は、トイレットペーパーとして使用されていたことがあります。そのため、八丈島や三宅島では「クソシバ(糞柴)」「カンジョーシバ(カンジョーは便所の古語のカンゼが転じたもの)」という方言で呼ばれていました。
    確かに柔らかで多く茂る葉はその用途に向きそうですが、クソシバとは酷い呼ばれようですね。

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詳細情報

和名 アジサイ(紫陽花)
分類

ミズキ目Cornales

アジサイ科Hydrangeaceae

アジサイ(ハイドランジア)属Hydrangea

学名 Hydrangea macrophylla
形態低木
原産地日本
特徴
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