ハイビスカスの基本情報
ハイビスカスは、赤や黄色、白、オレンジ色などの鮮やかな花が魅力の熱帯花木です。一般に流通しているのは矮化剤が散布された鉢植えのハイビスカスで、高さ 30cm 程度にしかなりませんがハワイや沖縄などで地植えされている株は 3m ほどにまで成長します。
「ハイビスカス」という言葉は特定の園芸品種を指しておらず、アオイ科・フヨウ属に分類される植物の総称ですが、日本においては熱帯性の特定の品種を指して使われることもあります。
園芸品種は主に (1) ハワイで品種改良されたことからハワイアンハイビスカスと呼ばれ、花は大輪で花色の変化が豊富なニュータイプの「ハワイアン系」(2) 交配された年代が古く、花はやや小さく花色の変化に乏しいものの暑さ・寒さにも丈夫で育てやすいオールドタイプの「在来系」(3) 花が小さく樹高が高くなり、寒さには弱いが暑さには強い「コーラル系」の3 系統に分類されています。世界にハイビスカスの園芸品種は 1 万種近くあると言われますが、そのうちのほとんどがハワイアン系の品種です。
ハイビスカスと言えば一般には暑さにとても強い南国の花というイメージですが、実際にはコーラル系以外は 30度 を超える暑さでは開花しにくくなります。本州では春から秋にかけて花を楽しむことができます。
なお、マレーシアでは国花、ハワイ州では州花とされ親しまれています。
ハイビスカスの写真
ハイビスカスの育て方
日光がよく当たる場所を好みます。ただし夏に株が弱っているときや、ハワイアン系の品種は半日陰へ移動させるとよいでしょう。冬はガラス越しの日光が当たる暖かい室内で管理します。
5月から10月までは庭植えにすることができ、霜がほとんど降りないような地域では戸外でも冬越しします。
用土
水はけのよい用土(赤玉土7:腐葉土3 の配合土など)が適しています。水やり
春から秋は鉢土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。特によく開花しているときは水分の吸収が盛んなので、水切れに注意してください。冬は控え気味に管理します。庭植えの場合は、ほかの花木同様に乾燥が続くときはたっぷりと水を与えます。
肥料
春から秋の成長期に、化成肥料などを規定量よりやや多めに施します。
ただし夏の暑さで成長が衰えているときは、化成肥料は控えてやや薄めの液体肥料を施し、様子を見てください。庭植えの場合も同様です。
ハイビスカスを育てるときに注意したい病気と害虫
病気
ほとんどありません。害虫
アブラムシ、ハマキムシ、カイガラムシなどが発生します。見つけしだい防除します。ハイビスカスの植え替え方法と時期
鉢植えは、1~2年に1回は必ず植え替えてください。適期は5月から6月です。植え替えを怠ると、生育が衰えるだけでなく立ち枯れを起こしやすくなります。また根を切らず用土を足すだけの鉢増しならば、9月まで行えます。
鉢植えを購入した際は、小さめの鉢に植えられていることが多いので、一回り大きな鉢に植え替えたほうが水管理が楽になります。
庭への植えつけは5月から6月に行い、事前に腐葉土などの有機物をよく混ぜてから植えつけます。冬越しのための掘り上げは10月いっぱいまでに行います。鉢上げの用土は腐葉土などの有機物を混ぜることを避けると、冬の立ち枯れによる失敗を防ぐことができます。
ハイビスカスの増やし方
さし木:在来系とハワイアン系は4月中旬から6月、コーラル系は5月から9月に枝を10cmほど切ってさします。さし床には水はけ、水もちのよい清潔な用土(鹿沼土、赤玉土)などが適します。
つぎ木:ハワイアン系の品種はさし木が困難で性質が弱いものが多いので、丈夫な在来系につぎ木する方法が一般的です。
ハイビスカスの花言葉
「新しい恋」「繊細な美」ハイビスカスに関する雑学
ハイビスカスを身に着ける場合は、場所によって意味が変わる?
女性がハイビスカスの花を髪飾りにする時、付ける位置によってその意味が変わります。例えば、「頭の左側(左耳)」の場合は既婚者、「頭の右側(右耳)」は未婚者を意味します。
また、束ねた後ろ髪に挿すなど「頭の後ろ」に付けると男性を誘っている意味になり、「両耳」は同性愛者、「頭の上」は恋人募集中となるそうですが、このあたりは冗談半分で聞いておくのが良いかもしれません。
ハイビスカスティーの原料はハイビスカス種のローゼル(洛神花)
ハイビスカスティーはハイビスカスの花を煎じて飲むわけではなく、ハイビスカス種のローゼル(洛神花)を原料としており、園芸植物のハイビスカスとは全く別のものです。
ハイビスカスは一日花
ハイビスカスの花は基本的に一日花です。涼しい環境では 2 日もつこともありますが、熱帯地域では花は咲いては萎み、咲いては萎みを繰り返します。また花を早く摘むことで早く次の蕾に栄養が渡るようになるため、可哀想と思わずに摘んで髪飾りなどにしてはいかがでしょう。
なお、品種改良によって一日では花が萎まず2日以上花が咲くハイビスカス・ロングライフシリーズも開発されています。
防風林として用いられることも
地植えのハイビスカスの枝はとても丈夫で長さが 5m ほど伸びるものもあり、沖縄では畑を守る防風林代わりとして植えられていることもあります。観賞用の花というイメージが強いのですが、屈強な植物の一面もあるのですね。
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