モノのインターネット化(Internet of Things : IoT)により、あらゆるモノの情報がインターネット経由で収集・可視化利用されるようになってきました。
ガーデニングにも IoT は導入されつつありますが、費用面や利便性を考えるとまだまだ時期尚早であるというのが正直な感想です。何よりガーデニングには、自ら時間と手間を掛ける喜びが存在します。
しかし、平日日中は仕事をしていたり、長期間家を空ける必要があるなど、植物の管理に十分な時間を割けない生活をしているために植物の栽培を断念していた人にとって、 IoT の進歩は朗報に違いありません。
Parrot 「Flower Power」
センサーによる植物健康状態の管理
「Flower Power」は枝のような形状をしており、植木鉢などに差し込むことで日照・気温・肥料・水分といった植物の健康管理に必要なデータを収集。蓄積されたデータは iPhone / Android に対応した専用のアプリケーションから確認する。
乾電池1本で 6ヶ月動作し、防水対応されているため野外の植物の管理にも使用できる。オンラインサイトにて 49.99 ドルで販売中。
過去のデータはグラフチャートで表示されるため、管理状態をひと目で把握できます。植物に元気がない時は少し遡って植物に何が起きていたのかを知る必要がありますが、感覚や勘まかせでなくデータから原因を分析できるようになるのが嬉しいところ。
さらに、Flower Power では 8,000 以上の植物についての適切な育成環境データベースを公開しており、収集した情報と比較することで次に何をすべきかが分かるようになっています。これは経験のない植物を育成する上で大きな助けになります。
本やサイトでよくある「育て方のポイント」。たった 4つしか無い季節の分類に、多め・少なめの水やりって・・・つまり一体どういうことですか?
Blossom
スプリンクラーの遠隔操作と天候に応じた水量の自動調整
Blossom は 2014年に Kickstarter で 10万ドルを集めて製品化されたスプリンクラーの自動調整システム。利用者はあらかじめスマートフォンやタブレット端末から散水スケジュールを設定できるのに加え、天気予報サービスからリアルタイムに取得した情報によって散水量を自動的に調整する。
Blossom のアイデアは特に家庭に芝生の多いアメリカで人気を集め、資金募集からわずか 2 日で目標金額を超えました。
従来のスプリンクラーはタイマー制御によって動作し、時間が来れば雨の中でも水を撒くという有様でした。無駄に消費される水の量が問題視されてきましたが、Blossom を導入することによって消費水量を 30 % 削減できるとのことです。
また、芝生、樹木、花壇などは必要とする水量がそれぞれ異なりますが、庭に配置された植物の種類をシステムに登録することで、それぞれに適した散水が行われます。
現在 Blossom の販売価格は 199 ドルですが、節水によって年間 300 ドルほどの費用を削減できるそうです。