「世界最大の花」として度々テレビなどで紹介されるため、「ラフレシア」という花の名前を覚えている人は多いことでしょう [ 1 ]ラフレシアは「単独の花」としては世界最大だが、「複数の花の集まり」としての世界最大は直径 1.5 m にもなるスマトラオオコンニャク。いずれもインドネシアのスマトラ島に分布する。 。一般的に「ラフレシア」と言えば花の直径が 90 cmにまで達するラフレシア・アルノルディイ ( Rafflesia arnoldii ) のことを指しますが、マレーシア・インドネシア・フィリピンなどに分布するラフレシア科は 50 にも及ぶ種が存在するとも言われています。
ラフレシアの最小新種が発見される
2月26日、フィリピン大の研究チームは植物学誌フィトキーズ電子版にラフレシアの新種を発見したと発表しました。フィリピン・ルソン島中部の山で発見されたこのラフレシアの花の平均直径はわずか 9.7 cm で、ラフレシア種では最小と見られています。
この小さなラフレシアの学名はフィリピンの自然保護に尽力した富豪の妻の名前にちなみ、「コンスエロアエ ( Rafflesia consueloae ) 」 と名付けられました。
開きかけのラフレシア・コンスエロアエ。中央の赤とクリームホワイトの部分の対比が特徴的
生物多様性の保全活動中に偶然発見
最初の発見は 2014年2月11日、フィリピンのマニラ北部にあるパンタバンガン地域における長期的な生物多様性の保全・監視活動中のことでした。足場の悪い熱帯雨林の中で足を取られた研究者が珍しい花に気づき、すぐにカメラを設置してこの小さなラフレシアの生態観察を開始しました。
研究を進めるうち、完全に開花した状態の 63 個の平均直径は 9.73 cm であること、表面は赤褐色だが断面はクリーム色であること、1 つの花に雄性器官と雌性器官を両方もつ両性花であることなどが分かりました。
ラフレシア・コンスエロアエはこれまでにヌエバエシハ、パンタバンガン地域の一部でしか自生が確認されていません。また、生息地である場所は地元コミュニティの狩猟場であり、乾季は森林火災の被害を受けやすい場所として知られています。
発見と同時に絶滅危惧種のリストに掲載
この小さなラフレシアは発見されると同時に将来の種の存続が懸念される深刻な状況に置かれていることも判明。 IUCN レッドリストの絶滅寸前(Critically Endangered)カテゴリーに分類されました。
インドネシアにおけるラフレシアの分布図。コンスエロアエの生息地は限られている
1. | ^ | ラフレシアは「単独の花」としては世界最大だが、「複数の花の集まり」としての世界最大は直径 1.5 m にもなるスマトラオオコンニャク。いずれもインドネシアのスマトラ島に分布する。 |