オランダのワーゲニンゲン大学(Wageningen University)の研究者らは、米航空宇宙局(NASA)が開発した、火星環境の土壌を再現した土を用いて食べることの出来るトマトやエンドウ豆などの作物の収穫に成功しました。
これまでも同大学では「火星の土」を用いて 10 種類の作物栽培に成功してはいましたが、食用として利用可能であるかは確認されていませんでした。
火星の土壌は、アルミニウム、銅、鉄、マンガン、亜鉛、ヒ素、カドミウム、クロム、ニッケル、及び鉛のような多数の金属を含有しており、植物の可食部にまでこうした成分が含まれてしまうと食べることはできません。
しかし、今回ついに「火星の土」で栽培されたトマト、エンドウ豆、ライ麦の 4 つの作物が食料として安全であることが確認されたといいます。実際には、これら 4 つの作物の重金属濃度は通常の土壌で成長した作物よりも低かったそうです。
映画「オデッセイ」は現実のものとなるのか
火星の土をそのまま用いて栽培可能であるかはまだ不明な点も残りますが、マット・デイモンが主演した映画「オデッセイ」で火星でジャガイモを栽培していたのは非現実的なものではないと思わせる、興味深いニュースです。
なお、火星では放射線を避けるため地下で栽培することを想定しており、同大学では 2013 年から人工的に管理された温室下で作物を栽培しています。
さて、気になる味はどうかというと・・・まだ誰ひとり口にしたことがないそうです。今後は栽培した作物のうち残り 6 種類の安全性のテストが残っているため、味はまだ先の課題となりそうです。