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京都の北野天満宮で桜の新品種「北野桜」発見、苗木の増殖にも成功

京都市上京区の北野天満宮は 8 日、境内の社務所前にある樹齢推定 120 年の桜がこれまで未確認の新種だった可能性が高いと発表しました。この新種の桜を「北野桜」と命名し、今後農林水産省に新種として申請するとのことです。

北野天満宮では境内で管理している梅や桜の株を増やすことを目的とし、一昨年に組織培養を住友林業に依頼。同社で保有している 215 種の桜の DNA データベースと遺伝子情報を照合しましたが一致するものが存在せず、他の品種とも外見などが異なるため新種の可能性が高いと判断しました。近年は交配による新種が多く誕生していますが、樹齢 100 年以上になる樹木が新種と確認されるのは稀有なケースといえます。

北野桜は開花直後は白い花が咲き、開花の進行とともに桃色に変化する珍しい特徴を有しています [ 1 ]ソメイヨシノも花の色が変化することで知られ、開花時は中央部分(萼)の色は緑・黄色をしているが、徐々にピンク色へと変化し、散る間際には濃いピンク色へと変わる。花が赤く色づく理由は明確にされていないが、受粉した子房を守るため紫外線をカットする働きのあるアントシアンを形成した結果、紅葉と同じように花が赤く色づくのではないかと推測されている。 。現在の樹高は約 8m、直径約 2m で、幹の根元付近から大人の胸の高さ程度まで芯が腐ったため空洞が生じています。空洞部分では根が伸びているものの、痛みが激しく外部に露出している状態のため樹勢の衰えが懸念されています。

北野天満宮 北野桜

社務所前の北野桜

また同日、住友林業では組織培養による苗木増殖に成功したことを発表しました。2014 年に北野桜の増殖プロジェクトをスタートさせ、住友林業の筑波研究所で過去の桜や梅などの培養実績や文献などを参考に実験を繰り返し、「茎頂(けいちょう)」という芽の先端組織を材料に用いた「茎頂培養法」という手法により、北野桜の苗木増殖を実現しました。苗が成長を待ってから境内に植える予定です。

北野桜は 8 日に開花、今月中旬から見ごろを迎える見込みです。

御神木“北野桜”の組織培養による苗木増殖に成功 – 住友林業株式会社 ニュースリリース

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1. ソメイヨシノも花の色が変化することで知られ、開花時は中央部分(萼)の色は緑・黄色をしているが、徐々にピンク色へと変化し、散る間際には濃いピンク色へと変わる。花が赤く色づく理由は明確にされていないが、受粉した子房を守るため紫外線をカットする働きのあるアントシアンを形成した結果、紅葉と同じように花が赤く色づくのではないかと推測されている。