秋も深まり冬の支度が始まる季節となりました。屋外の植物を室内や温室に取り込んだり、球根を植えたりと冬に向けた園芸活動をしているこの時期に、寒蘭(カンラン)は見ごろを迎えます。
寒蘭は九州や四国、紀州など温暖な地域に分布する東洋ランで、土佐・日向・紀州・阿波・薩摩などその自生地によって分類されます。
寒蘭の花だけを見ると控えめで華美とは言えないものの、光沢が美しい葉姿に高い観賞価値があり、花と葉、そして気品ある香りを総合的に楽しむことができるランとして根強い人気があります。
かつて寒蘭の人気が急騰したことで乱獲の対象となり、昭和30年代には野生の寒蘭はほぼ見ることはできなくなったと言われます。現在では種の絶滅が危惧されており環境省のレッドリストにも登録されています。
寒蘭は11月が見頃!展示会で寒蘭を鑑賞しよう
寒蘭が見ごろを迎える11月から12月上旬にかけて、各地で寒蘭の展示会が開催されています。ランの中でも東洋ラン、さらに寒蘭となるとかなり渋い趣味と思われそうですが、植物人気が高まる昨今に改めて寒蘭の美しさを多くの方に知っていただきたいです。
高知県
寒蘭の学名:Cymbidium kanran は、高知県出身である牧野富太郎植物博士により命名されました。「日本の植物分類学の父」として知られる氏の名前を冠した植物園では毎年地元のラン愛好会による品評会が開催されています。
鹿児島県
宮崎県
和歌山県
滋賀県
大阪府
これまで寒蘭をご存じなかった方も、ぜひその魅力を実際に見て感じてください!