親株の茎を切り取って挿し床に挿し、個体数を増やす繁殖方法のこと。このとき切り取った茎や枝のことを「挿し穂」といいます。
種子から繁殖させる方法(実生)に比べ、挿し木は短期間で鑑賞や実用に適する大きさにまで育てることができます。
枝や茎以外の部位(葉・根など)を差し穂に使うことができる植物もあり、葉を使う場合は挿し木ではなく「葉挿し」といいます。
挿し木で増えた個体は親株と同じDNAを持つ
挿し木・葉挿しにより繁殖した子株は親と同じ遺伝子情報を持つため、親株と同じ性質をもちます。ただし、植物の細胞の一部が突然変異したことにより生じる斑入り(キメラ)などは、挿し木をしても子株に遺伝しないことがあります。
なお挿し木と相反して、実生の場合は種子ごとに親株とは異なる遺伝子情報をもちます。親株の特徴を受け継がないこともままあるため、挿し木による繁殖よりも品質が安定しません。