ガーデニング 栽培記録

シェフレラ・アンガスティフォリアを挿し木にする

観葉植物の中でもポピュラーで育てやすいシェフレラ。乾燥に強く、日陰の室内でも育てられることから、オフィスやリビングなど場所を選ばず根強い人気のある種です。

今回挿し木に用いるのはシェフレラ・アンガスティフォリア(Schefflera sp angustifolia、和名:タカオ)という種で、長細く光沢のある葉が特徴です。

カポックと呼ばれることもあります

ちなみにシェフレラは「カポック」あるいは「ホンコンカポック」と呼ばれることもありますが、シェフレラとカポックとは全く異なる種で、シェフレラの日本国内での流通名としてそう呼ばれることがあるだけです。

なぜカポックと呼ばれるのかというと、香港経由で入ってきたシェフレラがカポックに似ていたためなど諸説あります。誤りとはっきりしている現在はシェフレラと呼んであげるべきでしょう。

シェフレラ・アンガスティフォリアを挿し木にする

シェフレラ・アンガスティフォリアの挿し木

上のシェフレラは、2 年前に購入してから一切剪定を行っていないため伸び放題となっています。元々 50cm くらいの株だったのが今年ついに 1m を超え、部屋のサイズに合わなくなってきたので剪定することにしました。

挿し木は成長期の夏が好適期

本州では 5〜8 月頃、気温の上がる初夏から夏の終わり頃の成長期が挿し木に適しており、この期間に行えば気温の下がる秋までに根をしっかりと張ることができます。今回は 8 月の初旬に挿し木をしています。

勢いのある枝を剪定する

シェフレラ・アンガスティフォリアの挿し木

今年特に成長著しい枝を 30cm ほど剪定します。

挿し木用にカットし下の葉を落とす

シェフレラ・アンガスティフォリアの挿し木

挿し木用にさらに 10〜20 cm ほどにカットし、下の部分の葉を落とします。左の枝は一時は捨てようと思い葉を全て落としてしまったのですが、葉のない中間の枝でも挿し木を試してみたくなり残しました。

シェフレラ・アンガスティフォリアの挿し木

全部で 3 本の枝を挿し木にします。葉をもっと多く残す場合は葉を半分にカットして水分の蒸散を少なくするのですが、その長細い形状が魅力のアンガスティフォリアの葉をそのまま残したかったので、今回は上部のみ残しカットはしませんでした。

切り口を斜めに切り発根促進剤を塗布する

シェフレラ・アンガスティフォリアの挿し木

切り口は斜めに切ることで断面積が大きくなり、発根しやすくなります。

シェフレラ・アンガスティフォリアの挿し木

今回は切り口にルートン(発根促進剤)を塗布していますが、シェフレラのように生命力が強い植物の勢いのある枝を使用し、さらに気温も十分な環境であるならば特に必須ではないと思います。

種蒔き・挿し木用の土に枝を挿す

シェフレラ・アンガスティフォリアの挿し木

種蒔き・挿し木用の土に枝を 3cm ほど挿し、水を与え指で周りを押し固めます。枝の断面と用土が密着していないと、水分を十分に吸い上げることができません。用土は専用の土でなくバーミキュライトや赤玉土などでも十分代用できます。

挿し木開始後は水を切らさないように

このまま半日陰でひと月ほど管理します。2 週間は土中の用土を乾かさないように水やりを続け、以降は乾燥したらたっぷり(鉢の下から出る程度)与えるようにします。

2週間後 – 新葉が芽吹く

ラ・アンガスティフォリアの挿し木

ちょうど 2 週間で葉無し・茎だけで挿し木したものから新葉が芽吹いてきました。他の 2 本も葉の成長が見られるのですべて順調に発根したようです。

こうした小さな生命の息吹はいつ見ても新鮮な感動を覚えます。彼らの生きるための本能を利用し結果が分かっていたとしても、いつだって実際に見せる姿は想像を超えて美しいものです。

1ヶ月後 – 発根確認と植え替え

シェフレラ・アンガスティフォリアの挿し木

挿し木からわずか 1 ヶ月でここまで葉が生えてきました。根は思ったより短いのですが光合成を始めるため葉の成長を優先した結果で、これから大きく根を張っていくことでしょう。

シェフレラ・アンガスティフォリアの挿し木

他の 2 本は葉が付いていたので根の伸びが早く、予想よりずっと広がっていたため掘り出すときに下の方を誤って切ってしまったほどです。

今回はシェフレラ・アンガスティフォリアを用いましたが、シェフレラは全般的に生命力が強いため容易に挿し木で増やすことができます。切り口、用土、挿し木する季節など若干セオリーを無視しても適当に切って挿せば育つくらいの逞しさがあります。

シェフレラに限らず挿し木は決して難しいものではないので、育ちすぎた植物があれば是非試してみてください。